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フィッシュナビのブログでは、私と出会う魚や生物、そして鎌倉の身近な自然と季節を日常生活に交えて記事にしております。
普段そこにいる誰もが目にする光景ながらも、(当たり前すぎて)見過ごしがちな素朴なネタを見つけ、そこに秘めた魅力を浮彫りにしていきたいと思います。自然が相手なので記事の更新は気まぐれ!でもコツコツ地道に発信していきますので、読んでくださった皆さまにとって何らかの情報になれば幸いです。何気ない散歩道が、もしかしたら今までにない輝きを放ち “特別な場所” に変わるかもしれません。
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★検証★ クロダイ(年なし)は何歳か?調べてみました。

  • 2010/01/07 23:58
  • カテゴリー:日記

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▲片瀬のヌシ(年なし/クロダイ老成魚)57.5cm 2.9kg  
2006年12月24日、午前4時AM(中潮/干潮時)、湘南・片瀬川河口(江の島大橋付近)にて 

今年2010年は、カナダ・バンクーバーの冬季オリンピックです。
オリンピックは毎4年ごとの催しですが、やはり歳をとるにつれ、時間が過ぎるのが早く感じる気がします。もう前回(2006年)のオリンピック(トリノ)なんて、つい最近のように思えてしまいます。
またこの2006年というのは、私の人生の中で最も「スズキ釣り」にノメり込んだ年でもあります。勿論、日中はフィッシュナビ本業ですが、真夜中~早朝にかけてスズキ釣りと深夜オリンピックテレビ観戦の繰り返しでした。
そして何よりも記憶に残るのが、スズキ釣りの外道(※)として釣れた「年無し(としなし)」のクロダイでした。

※)外道(げどう)とは、
本来狙っている魚に対して、そうでない魚が釣れる事をいいますが、たとえそれが本命以上の嬉しい魚であっても外道は外道となります(どんな釣りにおいても誰もが経験されていると思います)。

勿論、「年なし」クロダイは全国にいますが、ここでこのサイズが出るのは珍しく、巷で噂になったぐらい大騒ぎでした。地元の常連さんから「もうこんなの一生釣れないから絶対に魚拓を取っておけよ!」とアドバイス頂き、その教えの通りちゃんと魚拓にして八鳥家の家宝として飾っております。
そして別れ際に「もしアンタが再びクロダイを釣ったら、もう海に沈めてしまうかも・・」と脅され、私の肩を小突いてニヒルな笑顔で去って行きました。
それ以降~、クロダイの「ク」の字もカスりませんけどね。そのおかげで(海に沈められることなく)今日まで生き延びております。

もちろんマグレで釣れたものですが、そんなこんなで、クロダイに縁のなかった私が、この1匹の出会いで、感動と思い出をもたらせてくれたことは言うまでもありません。当時スズキ釣り駆け出し頃で、ひたすらルアーを投げ続けていた頃を思い出しました。

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ではここで本題、
冒頭でも述べたように、50センチを超えるクロダイを “ 年無(としなし)” といいますが、
クロダイは成長はとても遅く、このサイズになるともう何歳か分からないぐらい長い年月がかかっている・・という例えからきています。
またクロダイは性転換する魚として知られており(オス♂⇒メス♀に性転換する)、このサイズになると殆どが♀(メス)になります(※魚の世界ではよくある話です)。

さて、そこでふと思うのが「年無って何歳なのだろうか?」という疑問です。
せっかく大物も釣れた事ですし、そんな素朴な疑問を解明してみようと思います。

★クロダイの年齢査定は?
まず、魚の年齢を調べるには、鱗(ウロコ)を用いその年輪を数えるのが一番簡単で分かりやすいと思います。1枚のウロコを採取し、それを照明に透かしてデジカメで撮ります。それを後で画像拡大すると概ねの年輪をチェックする事ができます。ウロコについては、基本的にはどの部位のウロコでも判別可能ですが、何らかの原因で剥がれてしまい途中で再生したウロコは再び0歳からのスタートとなり(実年齢よりも若くなりますので)参考になりません。なのでデータの精度を上げる為、比較的剥がれづらいであろう部位(←理想は胸鰭の付け根の部分)の鱗を採取し、かつそれを複数のデータを取って信頼性を上げるのが良いでしょう。

因みに、この個体の年齢判定は、推定12~13歳でした。
その環境、地域、個体差、食生活等により成長速度が異なりますが、ただハッキリ言えるのは「50cmを超えるクロダイは10年以上の生きている可能性が高い」との結論に至りました。

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そして、今回釣った年なしクロダイで、歯の標本も作りました。
ちょっと不気味に思えるかもしれませんが、クロダイを多方面から知る上での大切な資料にもなっております。私にとって大切な思い出でもあり、今でも(これからも)家宝であり続けることでしょう。
クロダイの唇は分厚くプルンプルンですが、この魅惑の唇に騙されてはなりません!
唇をめくるとご覧の歯がズラっと並んでおり、また手でこじ開けられないほどの強靭な顎の持ち主で、もし指を噛まれようなら確実に大ケガします。なので触れる際には細心の注意を払ってください。
歯の構造は、前歯(6本)は出っ歯で、まるで潮干狩りの熊手のように長く尖ってなっております、そして奥歯は臼(うす)のように丸くなっており、それが何層にも連なっております。クロダイは貝類・甲殻類が主食で、特に堤防やテトラポットに付着したイガイが大好物なので、それを削ぎ落しバリバリ噛み砕くの適した構造になっております。今回の釣り場の堤防やテトラポットにも「ムラサキイガイ」がびっしり付着しており、この釣ったクロダイの胃の中を調べたら案の定、イガイが詰まっておりました。

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直接法の魚拓(※)は一発勝負。
魚拓は顔が命。最後の仕上げに目玉を描き込みます。指先に全集中!

※)魚拓は「直接法」と「間接法(美術魚拓)」の2つに大別され、この直接法は魚体に直接墨を塗り、紙や布を当ててその形を写しとるシンプルな方法。主に釣果記録を目的とし、間接法に比べ迫力のある雄渾な仕上がりが得られますが、一度紙をあててしまうと修正できない難しさがある。まさに一発勝負の世界である。

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