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フィッシュナビのブログでは、私と出会う魚や生物、そして鎌倉の身近な自然と季節を日常生活に交えて記事にしております。
普段そこにいる誰もが目にする光景ながらも、(当たり前すぎて)見過ごしがちな素朴なネタを見つけ、そこに秘めた魅力を浮彫りにしていきたいと思います。自然が相手なので記事の更新は気まぐれ!でもコツコツ地道に発信していきますので、読んでくださった皆さまにとって何らかの情報になれば幸いです。何気ない散歩道が、もしかしたら今までにない輝きを放ち “特別な場所” に変わるかもしれません。
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★究極の魚料理シリーズ★ 最も脂がノった海産サケ・真マス(4~6月)で冷燻を作る

  • 2016/06/21 18:11
  • カテゴリー:日記

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毎年6月になると、いつかは実現したいと考えていることがありました。
それは「最高に脂がノった4月~6月の海産シロザケや真マス」を使って、冷燻(=生の燻製)を作ることです。
サーモンの燻製なんて世の中にどこにでも見かけますが、6月の最も脂がノった天然時鮭(しかもそれを冷燻にする)となると一気に難易度が上がります。それは時期的なことも含め、予想以上の課題があるためです。今回はそんな型破りな料理に挑戦してみたいと思います。

★まずは寄生虫(アニサキス)対策
相手は天然のシロザケや真マス、冷燻といえど生(なま)の延長上で食すことになるので、まずは寄生虫対策としてシッカリ冷凍して寄生虫を死滅させなければなりません。海産の天然サケ・マスには、ほぼ100%の確率でアニサキスなどの寄生虫がいると言ってよいでしょう。ただ、生まれつきサケにアニサキスが寄生している訳ではなく、アニサキスのいる海域でオキアミなどの甲殻類がそれを捕食して、食物連鎖により上位の生物へと寄生していくわけですね。つまり、オキアミ⇒小魚やイカ⇒大型魚⇒最終的にはアザラシやクジラなどの海獣が最終宿主となり、そのサイクルを繰返します。

因みに養殖サーモンが生の刺身で食べられるのは、アニサキスのいない環境下におり、アニサキスの由来しない餌で育っているからです。陸封された湖産サクラマス等も生で食べられるのもアニサキスの由来しない閉鎖的な環境で育っているためであります。でも天然の海産サーモンはそういう環境下ではないので、もし「生」で食べるとなると「冷凍」の下ごしらえは必須になります。

そして最も脂がのる4月~6月…、実はこれが一番厄介な時期なのです。燻製を作る際のベストシーズンは「真冬」で冷たく乾いた空気の環境下(=細菌を増やさない環境)で作るのが理想なのですが、真マスや時鮭が獲れる4月~6月の時期はそれらの条件を全て覆してしまうのです。

特にこの梅雨期の6月は湿度は高く、悪天候で天日にも嫌われ、そして気温は25℃以上の日が殆どなので、もし外で干そうなら乾く前に腐ってしまったり、脂が酸化して身が台無しになってしまいます。なのでこのジメジメした時期は冷蔵庫の中で乾かすのが最もよい方法と思われます。しかしソミュールやピックルなどの調味液に漬けて乾燥させる従来の工程ですと、冷蔵庫内で思うように乾いてくれず時間だけが無駄に過ぎてしまうので、このケースにおいては液漬けでなくベタ塩で脱水した方が早く乾燥できることが分かりました。脱水して水分が抜けたら、無駄な塩分と水分は冷水でキレイに洗い流し、水気をシッカリ拭き取ってから冷蔵庫に入れれば1日で表面が乾きます。

ここまでに至る工程はとても多いけれど、この「生」の状態から次々へ展開していく訳なのでスピードが命!どの工程も丁寧かつ速やかに進めていかなければなりません。
生の状態から完成するまで1週間あまり、生の時と比較すると半分ぐらい凝縮しているのは水分がシッカリ抜けて程よく塩分を吸収している証拠、これが基本となり濃厚でコクのある冷燻が出来上がるのです。仕上げは、燻製シートに包み込み、冷蔵庫で1~3日程(お好みで)寝かせれば出来上がりです。

手塩にかけて育てた一品、食べるのはほんの一瞬!
このご時世、効率と結果だけが評価される世の中ですが、私はそのプロセスをとても大事にしております。余計な事を一切考えず、無心にとことん探求するのも心地よいです。全ての苦労が報われた極上の味でした。

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