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江ノ電
フィッシュナビのブログでは、私と出会う魚や生物、そして鎌倉の身近な自然と季節を日常生活に交えて記事にしております。
普段そこにいる誰もが目にする光景ながらも、(当たり前すぎて)見過ごしがちな素朴なネタを見つけ、そこに秘めた魅力を浮彫りにしていきたいと思います。自然が相手なので記事の更新は気まぐれ!でもコツコツ地道に発信していきますので、読んでくださった皆さまにとって何らかの情報になれば幸いです。何気ない散歩道が、もしかしたら今までにない輝きを放ち “特別な場所” に変わるかもしれません。
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★鎌倉の淡水魚シリーズ★ 神戸川物語・鎌倉で幻の魚(アユカケ)発見!

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 鎌倉西部(西鎌倉~腰越)に流れる神戸川(ごうどがわ)の川沿に近所の買物に行く際の裏道があり、その狭さから「けもの道」と勝手に名付けております。自転車同士ですれ違うのはおろか、歩行者同士でも気を使うぐらい狭い道なのですが、家からスーパーやコンビニへショートカットで行く事ができ、車の多い公道を避けれるので近隣の住民にとって生活道路なようなものであります。

またここは5月に入ると海から遡上してきた若アユのたまり場となり盛夏の水辺を賑わせてくれます。ごく当たり前の日常光景なので普段はスルーしがちな内容ですが、例年よりアユの群れが多かったのでカメラに収める事にしました。ほんの数分の撮影でしたが見知らぬ方が5名も声を掛けてくれ、普段は誰も口にはしないものの若アユの存在は気にはなっていたようです。
アユは年魚(寿命は1年)、もし人間なら70~80年かけて全うする事をアユはたった1年でやってのけます。
無論、生物それぞれに異なる時間を持っており、生涯のモノサシの尺度が全然違うのだけれども、それにしてもアユは寿命が短いのです。

春、夏、そして秋…、季節の移り変わりをアユと共に過ごしてきたが、いよいよお別れの時期が近づいてきた。
今日もそんな思いで落ちアユを眺めていたら、あれ?!一瞬 石が動いたような錯覚に陥いた。
岩陰から突如姿を現したのは、なっ何と「アユカケ」でした!周囲のハゼと比べてもケタ違いのサイズ、圧倒的な大きさと存在感は堂々たるものでした。

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アユカケ(カマキリともいう)とは、海(沿岸)と川を共にする回遊性のカジカの仲間。秋に産卵のために海に降り孵化した幼魚はしばらく沿岸で過ごすので、その生活史は鮎と非常に似ております。
環境変化に伴い今となれば生息分布を東北まで延ばしているものの、かつて1980~90年代まではここ神奈川が北限とされ(昔の魚類図鑑はそう記載してある)、現在に至ってもここ神奈川で目撃されるのは非常に稀で、ましてここ鎌倉での目撃は過去に聞いた事がない(※そもそも鎌倉市内の河川は保護区という事もあり捕獲データーがない)。

私にとってアユカケとは図鑑の世界だけに登場する魚、この場で見れただけで十分でしたが更に私を驚愕させたのはその数秒後にアユカケのとった行動でした。
岩陰から出たアユカケは底を這いながらアユ群れに急接近、なんと!目にも止まらず早業でエラを使って鋭いUターンで鮎を引っ掛けようとしたのでした。くどいようですが口でなくエラを使ったのだ。
その攻撃でアユ群れは一瞬散ったが1匹のアユだけがその場でパニックを起こし違和感のある泳ぎをしていたのでアユカケの攻撃を受けたと思われる。結果的には未遂で終わったが、本来ならここでその1匹のアユをガブッと捕食するのであろう。私もその瞬間を心待ちにしていたが、(私の気配が気になるのか)岩陰に隠れたままで姿を見せる事はなかった。
それにしてもアユカケの凄い一撃必殺技を見てしまった。1秒…いやコンマ単位での出来事であったがその光景はシッカリと脳裏に焼付いた。

★参考(補足資料)
漫画・釣キチ三平(カジカの夜突きの巻)でこのアユカケがアユをエラで掛けるシーンがある。その一撃必殺技はこの漫画だけの世界だろうと疑っていたが、今となってはそれが本当であったと確信しました。
詳しくは、【釣キチ三平】【カジカの夜突き】【アユカケ】 …この3つのワードを入れて検索にかけるとその該当するコマが出てきます(6コマだったかな?完璧な描写です)。敢えてこのコマに補足させて頂くとすれば、これはほんの一瞬の出来事。1秒いやコンマ単位の世界だったという事です。

………この出来事がきっかけで、
いつもの神戸川に今までにない輝きを放ち、私にとって特別な場所となりました。
アユカケという宝物がこの岩陰に潜んでいる事が分かっただけでワクワクし、せめてアユカケの写真でも…、更なる目標は必殺技であるエラ掛けシーンを動画で撮りたい…と気持ちになっておりました。常にデジカメと動画カメラを身にまとい、カメラ小僧と化しゴールの見えない地味な戦いが始まりました。
初めて目撃してから7日目(10月16日)の朝…、遂にそのアユカケの姿をデジカメで納める事ができました。
アユカケは警戒心が強いのか?近寄るとすぐに岩陰に隠れてしまうシャイな奴。幾度か姿は見れたもののすぐに巣穴に隠れてしまい、なかなか撮影させてくれませんでしたので、忍び足でかなり遠方からズームで撮影しそれを拡大しております。
アユカケの画像はネットで検索すれば多く出てきますし、この画像そのものも全く大したものではありません。しかし、私自身にとって、ここ鎌倉にとって、とても貴重で意味のある写真画像となりました。

このアユカケという名前の由来にはいろいろな説がありますが、きっと昔の清流にはアユ釣りや清流遊びの名脇役としてアユカケがたくさん生息しており、水中でアユを引掛けている光景を誰もが見ていた事でしょう。それ故に昔の人はアユカケと名をつけたのだと(私は)思っております。
エラ掛シーンを動画で撮れなかったのは悔しいですが、自然の生き物相手なのでこればかりは致し方ありません。いつかきっと誰かが撮ってくれると信じ、それまで「エラ掛け一撃必殺技」の事は自分の中だけに留めておく事にしました。

その数週間後…もうそこにはアユの姿はありませんでした。アユが産卵した卵は2週間程で孵化し~来年春まで沿岸付近で過ごし、初夏になると再び若アユ達がこの川に戻り水辺を賑わせてくれる事であろう。そして、私の心を射止めたアユカケも姿を見せなくなり、いつも通りの平凡な神戸川になりました。アユカケもアユ同様産卵の為に海に降るのですが川下りも産卵も命がけです。どうかサギ達に捕まる事なく無事に次の世代に繋いでくれよと…そんなアユカケの行く末を案じてしまう今日この頃でした。
そして近い将来、鎌倉に生息する魚のレギュラーメンバーとして、このアユカケが図鑑に登場する日を心待ちにしております。

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